家を建てるとき、子ども部屋、寝室には「絶対に本棚が欲しい」と思っていたので、備え付け(造作)の本棚を間取りに組み込みました。
家が建ち住み始めて気付いたことは、「ただ本棚がある」だけで使える本棚ではなかったことです。使える本棚を設置するなら、「ここは空きスペースだからいいかな」みたいに軽い気持ちではいけないと痛感しました。
この記事では、本棚を設置して使えないと困っている現状から、間取りの設計のとき検討しておけば良かったと後悔したポイントを紹介します。
目次
本棚の奥行きが足りなくて絵本がはみ出てしまう
本棚で困っているポイントはズバリ「本棚の奥行きが足らない」のひと言です。
ご覧の通り、子どもの絵本が本棚の外にはみ出ています。
致命的なことに、この備え付けの本棚はスライド式なのです。スライド式とは下図のように前面にある棚がスライド(移動)して、スペースを有効に使う本棚のことです。
ご推察の通りで、本棚から本がはみ出しているので、当然スライドしません。
そのため開かない側の奥に収納した本は、はみ出している本を一旦外に出さないと取り出せないのです。本が好きな家族には致命的です。
この状態だと、はっきり言って本棚として機能していないですよね。絵本に限らず雑誌やムック本にも当てはまります。きっちり収納できる本は、文庫本やコミック本くらいです。
これなら本をダンボールにしまっておくのと大きな違いはないですよね…
備え付けの本棚の仕様が必ず確認しよう
今回の失敗は「仕様の確認不足」で、本棚のことを軽く考えていたに他なりません。家の一部には変わりないのですから、リビングやキッチンといった間取りと同じレベル検討しなければなりません。
本棚を設置するなら奥行きは何センチ必要なのでしょうか?
わが家の本の中で一番奥行きがあったのは「ぐりとぐら」の絵本です。先ほど紹介した写真にもあるのですが突出しています。iPhoneの計測アプリで測った結果が以下になります。
アプリなので正確ではないのですが、およそ31cmになります。もし近くに間取り図面や備え付け本棚の仕様書があれば、ぜひ奥行きを確認してみてください。
下図のような寸法の記載がない場合は、担当の営業さんに確認しておきましょう。
古い設計書を掘り出して確認したら寸法の記載が一切無くて驚きました。わが家みたいに失敗しないようにしてくださいね。
備え付け本棚を設置するのであれば、本棚の仕様は必ず抑えておいてください。備え付け(造作)の本棚は後からは変更できません。
本棚の設置エリアは間取りの工夫で確保しよう
たとえば下のような横並び2つの部屋があったとします。
中央の壁に一工夫すると本棚を設置するスペースが作れます。下図のように部屋の壁を交互にくぼみをつけます。
くぼんだエリアに大きな本棚を設置します。
部屋から見た景色をご覧ください。大きな本棚が部屋と一体化してみえるはずです。
図面では「でこぼこした変な間取り」に見えますが、部屋にいる視点でみると至って自然な間取りになります。間取りで見る美しさと、実際に住んでみて感じる美しさは違います。これは設計士さんから教えてもらった話です。本当にその通りだと思います。
これをちょっと応用すると、ウォークインクローゼット(WIC)にも適用できます。下図はウォークインクローゼットの空間をへこませた間取りです。
WICは物置として使うので、でこぼこしていたほうがダンボールなど詰め込みやすくなって一石二鳥です。ポイントは「図面の美しさにこだわる必要はない」ということです。
書庫のある家はどうでしょうか?
図書館ではありませんが本棚だけの部屋、いわゆる書庫を作成してみるのもアイデアの1つです。本好きにはたまらない部屋になります。
お金の専門家であるneronaさんのマイホームには書庫があります。プロフィールページに書庫の写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
後付けの本棚も検討しよう
工夫した間取りであれば、無理に備え付けの本棚にこだわる必要はありません。家具として本棚を専門店で購入も視野に入れましょう。専門家の作った本棚は使いやすさを追求しているので選択肢として検討の価値があります。
東京近辺にお住まいなら、ぜひ1度見学したいのがハミングバードブックシェルフという本棚専門店です。家づくりを検討する上でヒントがあるはずです。
さいごに
子どもには本に触れる機会を増やしてあげたいです。そうすることで自然と本を読む習慣が身について将来の役に立つと思います。環境が人を育てる、ある意味家づくりも人を育てると言っても良いのではないでしょうか。
本棚のある家って素敵です。