知人の話です。
転職して間もない状態での住宅購入。住宅展示場を一通りまわって進められたのが、変動金利で限度額ギリギリの住宅ローンでした。どのハウスメーカーの営業からの同様の提案でした。
しかし、あるハウスメーカーの営業だけは「その予算では住宅展示場内のどのハウスメーカーでも建てられません」と言い放ちました。
目次
「お金の算段をしてくれる親切な営業」と「門前払いで冷徹な営業」
親切の奥に隠された目的
お金の算段をしてくれる親切な営業の提案は下記の通りでした。
- 変動金利は毎月の支払いを抑えられる
- 変動金利が数年で急に上がることはない
- 固定金利だと家計を圧迫する
- フラット35だと団体信用生命保険の支払いが必要
家計を心配する素振りを見せていますが、ただ単純に親切を装っているだけです。
問題は3と4です。変動金利にはリスクがあります。
固定金利で家計が圧迫するのは借入金額が大きすぎるからです。月々返済可能な額を借入すれば良いのです。固定金利ですので将来の金利に左右されることなく安定した家計管理ができます。
また変動金利ですと団体信用生命保険の支払いはないケースが多いですが、その分は金利に含まれています。
一見親切には見えますが、「少しでも高い家を売りたい」のが親切に見える営業の狙いなのです。これは親切を装ったセールスに他ならないのです。
冷徹の奥に隠された親切
その予算では住宅展示場パーク内にあるどのHMでも家を建てられません。
知人からその話を聞いて、正直「何て失礼な営業なんだ!」と憤りました。
けど話を聞いていくうちに考えが変わりました。
他のハウスメーカーの営業と同様に無理なローンを組ませて住宅を購入させることができたはずです。
しかし、そうはしなかったのです。それどころか予算内で建てられる(パーク外の)ローコスト住宅の営業を紹介してくれたのでした。
最終的には、知人はは紹介してもらったハウスメーカーで念願のマイホームを手に入れました。
「借りられる」と「返済できる」は違う
限度額ギリギリでの変動金利での住宅ローンはは過剰ローンです。
施主のことを考えてアドバイスするなら、無理のない返済計画を立案して、その返済額にあった家の規模になるようにしてくれるはずです。
「借りられる」のと「返済できる」のは違うからです。
知人の話を聞いて思ったが、借りられる範囲で家を建てさせようとする営業は怖いということです。
固定金利で借りられる範囲での住宅ローンが安全
変動金利、固定金利のどちらで借りるとしても、固定金利で借りられる範囲内で住宅ローンを借りるのが安全です。
そうしておかないと、金利上昇や家族の変化などの不確定要素に対応できなくなってしまいます。
住宅購入には住宅の購入費用だけでなく、住宅ローンの諸費用、税金、引っ越しなど、他にも様々な費用が必要となります。
変動金利で借りる目的は「家計の圧迫を抑えるため」ではなく「繰り越し返済するため」だと考えるべきです。
素敵な家づくりになりますように!